ゲランドの塩生産者組合の天日海塩 製造方法
ゲランドの生産者組合の天日海塩・・・その製造方法は、9世紀以前に確立されており、現在もなおその手法が守られ続けています。このページでは、伝統的・歴史的に興味深い『ゲランドの塩の製造過程』を簡単に説明したいと思います。
まず 『海水を塩田に導く溝』 によって、海水が塩田を 灌漑(カンガイ) します 。 15日周期で訪れる 『大潮』 の時に、塩職人たちは 海水貯水池にある仕切り を開け、水位の差を利用して海水を塩田内に導きます。
この貯水池 は 傾瀉(ケイシャ) のための池で、幾つかの塩田へ海水が流れ込んで行くわけですが、この時点 でもう既に 太陽と風 が作用し始めています。海水が温められ、最初は『34g/l(1g中34 g)』だった塩分濃度がここで『40g/l』に達します。
徐々にゆるやかな傾斜がついていて、塩田職人が スレートか木でできた杭 を使って 流量の微調整 を行いそこから海水は、 粘土質の中 に設けられた 一連の池 を通りながら塩田内部へと巡っていきます。
まず
『コビエ』
へ・・・
ここでも海水は蒸発を続け、コビエから出る時には水温が『28℃』塩分濃 度が『50g/l』になっています。
その後、海水の巡回は蒸発用の池
『ファール』
へ来ます。
ファールは
通路がジグザグ
になっているため、浅く(4cm〜5cm)回転していた水にブレーキがかか ります。海水は
最初のファール
ですぐに32℃に達し、塩分濃度は『約200g/l以上』すなわち
『20%程度』
になります。
海水はそこから 『アデルヌ』 へ入れられます。そこでは、塩が結晶化する為の結晶池・・・『ウイエ』に 必要な 濃縮海水 が 日々貯蔵 されています。
海水(塩水)が結晶化を始めるのは、塩分濃度が 『約25〜28%以上』 の状態です。つまりこの『アデルヌ』を出る時点で海水は 『結晶直前の状態』 になるわけです。
そして最終結晶池 『ウイエ』 。最終結晶池では、水面の表層部分に最初に結晶する白い塩を 『ルス』 と呼ばれる木板ですくいあげます。
これが、ごくわずかしか採取されない 『フルール ド セル(塩の花)』 で、その後 自然乾燥 されます。
塩の結晶は、水面下で結晶するものが大部分でそれらは
『グロセル(大粒塩)』
と呼ばれます。これは
『ラス』
という5m程の柄の付いた木板で、結晶池中央の
円形の場所
へ集められてから、乾燥させる場所に運ばれます。
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PHOTO (C) LES SALINES DE GUERANDE Pascal FRANCOIS